職人が手作業で作り上げるナポリ伝統の軽やかなテーラードジャケット「PROCIDA」
15-16AWからスタートしたレギュラーラインは、フル毛芯仕立てに職人のハンドワークを取り入れながら、効率的に機械も活用することで生産性を高め、生地クオリティはそのままにリアルなプライスを実現したことが特徴です。そのレギュラーラインが刷新され、従来はジャケットとスーツが同じ型紙・同じ仕立てでしたが、「PROCIDA」と「SALINA」の2モデルに分かれ、より好みに合わせて選べるようになりました。当店(日本直営店)では、快適な着心地で定評のある「PROCIDA」を中心に展開しています。
モデル名はナポリ湾に浮かぶプローチダ島に由来し、従来の“脱構築(CAPO DECOSTRUITO)”の思想を受け継ぎながらも、前身頃に薄い裏地を配することで着用時の滑りと耐久性を向上させた、軽快なテーラードジャケットへと進化しています。芯地は必要最小限にとどめ、縫製とアイロンワークによって立体的に仕立てるナポリ伝統の手法は健在。軽やかな着心地でありながら胸まわりのふくらみやウエストのシェイプが美しく現れ、きちんと見える佇まいを両立しています。本格的な一枚仕立てに匹敵する軽さと柔らかさを備えつつ、日常に寄り添う扱いやすさを手にした“進化版PROCIDA”。ファビオ・ボレッリ自らが工場選定から細部の修正まで繰り返した末にたどり着いた、新たな着心地をぜひご堪能ください。
現代的なエッセンスを取り入れた「モダンナポリスタイル」
デザインは、イタリアンクラシックの王道を行く「段返り3Bジャケット」になります。曲面と曲線の連続性を重視して作られた典型的なナポリスタイルのジャケットですが、コンパクトな肩幅、スマートに見える狭めの前身頃、やや短めの着丈など、クラシックさの中に現代的なエッセンスを溶け込ませることによってモダンな印象に仕上げています。ラペル、フロント、ポケット、肩まわりには職人のハンドステッチによって華が添えられており、そこはかとなく南イタリアの色気が漂います。サルトリアテイストのバルカポケットやナス型のパッチポケットによって絶妙なカジュアル感が与えられていることもポイントです。完成されたスタイルのジャケットなので、流行に左右されず長年愛用して頂けます。
より美しく凛々しい体型へと導いてくれる立体的なフォルム
言うまでもなく、着心地のよさやシルエットの美しさはマシンメイドのジャケットを大きく上回ります。肩パッドなどの副資材を極力抑えた柔らかな仕立てですが、脇の下をぐっと食い込ませるナポリ特有のカッティングと、職人のアイロンワークによって胸まわりの自然なボリュームが生み出されています。袖付けはもちろんハンドで、職人の手作業によって肩のイセがしっかりと確保されているため、驚くほど動きやすく、ジャケットを着たままデスクワークをしてもほとんどストレスを感じません。ウエストは第二ボタン位置で絞り込み、美しいドレープラインを描きます。大きく流れるフロントカットも特徴で、なだらかなショルダーラインと相まって優雅な曲線美を演出します。さらに、首まわりに沿うように仕上げられた一枚衿や、柔らかくロールするラペル、背中に吸い付くようなエレガントなバックスタイルなど、随所に仕立ての良さが表れています。肝心の着心地ですが、胸のふくらみを計算して肩線をやや後方に振り、ジャケットの重量が前後均一に分散され肩に乗るように設計されているので、“着ていることを忘れさせてくれる自分の肌のような着心地”を楽しんでいただけます。
ヴィンテージのような味わい深さのある四者混ツイード
使用されている生地は、ヴァージンウール・モヘア・ナイロン・カシミヤの4種をブレンドした細番手の紡毛糸を、ざっくりと織り上げたツイード素材です。しっかりとした目詰まりと程よい重厚感があり、クラシカルな雰囲気を漂わせます。昔ながらのツイードにあるチクチク感や硬さはなく、現代的にアップデートされた軽快な仕上がり。軽くて着心地が良く、柔らかな肌触りでストレスを感じさせません。目付け(1平方メートルあたりの生地の重さ)は約320グラム。風を通しにくく暖かいだけでなく、丈夫で型崩れしにくいのも特徴です。着るほどに身体に馴染み、風合いと味わいが深まっていきます。
余談ですが、ボレッリが使用する生地は、ほとんどがイタリアの高級毛織物産地・ビエラ地区の名門ミルのものです。代表的なメーカーを挙げると、エルメネジルドゼニア、ロロピアーナ、カノニコ、ドラゴなどです。生地の織りネームは付きませんが品質の高さは折り紙つきです。
価格231,000円(税込)